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じんもんこん2010 ポスター (11/5 更新しました)

ご案内

情報処理学会・人文科学とコンピュータ研究会の目標は、人文科学研究における各種学術・文化資料/情報等に情報処理技術を用い、当該分野の研究に寄与すること、またこのような活動を通じて得られた知見を情報分野へフィードバックすることです。すでに、歴史・考古学・人類学・文学・芸術などの各学問分野からの、さまざまなアプローチが試みられ議論されてきました。

これらの研究活動の中では、研究対象の資料をデジタル化し、保存・流通・共有することが基本となります。この10年間において議論されてきた「デジタルアーカイブ」は、そのためのプラットフォームであり、また、人文科学と情報技術の連携の一つの目に見える大きな場であり、ある側面ではプロパガンダでもありました。この意味で、「デジタルアーカイブ」および「デジタルアーカイブ研究」の果たした役割は、情報系にとっても、人文系にとっても大きな意義のものとなりました。

「デジタルアーカイブ」の成果が着実な展開を見せつつある昨今、私どもは「人文工学の可能性―異分野融合による「実質化」の方法―」をテーマとして「じんもんこん2010」を開催することとしました。人文工学とは、人文科学が情報工学と出会い、融合することによって、人文科学に新たな展開をもたらす方法論の一つです。人文科学はともすると主観的解釈の自己言及的な無限ループに陥るとみなされることもあります。私どもが今回掲げる人文工学は、それらに科学・工学的手法を応用することによって、共有可能な解釈へと導くことに挑戦するものです。そのアプローチは、多くの人々に人文科学を届けていく「実質化」への一つの方法を探ることにもなるでしょう。

かのパスカルは「繊細の精神」 l’« esprit de finesse » と「幾何学の精神」 l’« esprit de géométrie » を区別しました。それを受けて論理学の分野などで両者を和解させる試みが模索され、様々な営為が積み重ねられてきました。現在、両者の融合の鍵を握るのは、なんと言ってもコンピュータの存在です。大量データを悉皆的・合理的に処理する中で、いかに人間の知的営為・感性・情念を、その精妙さを損なうことなく、かといって単なる形式的論理に終始することなく共有可能なものとできるか。そして、人文科学を実際の生活・環境・現実に根ざしたものに実質化できるか。その可能性に大胆に踏み出していく研究成果の発表を大いに期待し、本シンポジウムを通じて交流を深める予定です。

異分野融合を志す積極的な論文発表とご参加をお願いいたします。

開催概要

開催日程
2010年12月11日(土),12日(日)
会場
東京工業大学 大岡山キャンパス 西9号館(東京都目黒区大岡山2-12-1)
主催
情報処理学会 人文科学とコンピュータ研究会
共催
文部科学省 異分野融合による方法的革新を目指した人文・社会科学研究推進事業 『人文工学の方法による人文社会科学の実質化』(東京工業大学)

実行委員会

徃住 彰文(東京工業大学)[委員長]
赤間 啓之(東京工業大学),井口 時男(東京工業大学),高岸 輝(東京工業大学),Leith Morton(東京工業大学),山元 啓史(東京工業大学),村井 源(東京工業大学),後藤 真(花園大学),三宅 真紀(大阪大学),松村 敦(筑波大学)

プログラム委員会

及川 昭文(総合研究大学院大学)[委員長]
吉岡 亮衛 (国立教育政策研究所),鈴木 卓治(国立歴史民俗博物館),関野 樹(総合地球環境学研究所),上地 宏一(大東文化大学),相田 満(国文学研究資料館),桶谷 猪久夫(大阪国際大学),加藤 常員(大阪電気通信大学),川口 洋(帝塚山大学),五島 敏芳(京都大学),阪田 真己子(同志社大学),坂谷内 勝(国立教育政策研究所),柴山 守(京都大学),曽我 麻佐子(龍谷大学),田畑 智司(大阪大学),當山 日出夫(立命館大学),永崎 研宣(人文情報学研究所),八村 広三郎(立命館大学),原 正一郎(京都大学),古瀬 蔵(国文学研究資料館),師 茂樹(花園大学),山田 奨治(国際日本文化研究センター),山本 泰則(国立民族学博物館),村上 征勝(同志社大学),小澤 一雅(大阪電気通信大学),安達 文夫(国立歴史民俗博物館),淺見 泰司(東京大学),田窪 直規(近畿大学),久保 正敏(国立民族学博物館)

おもなトピック

考古学・歴史学・文献学・言語学などを含むデジタル・ヒューマニティーズ,人文情報学,GIS,デジタル・アーカイブ,デジタル博物館,シリアスゲーム,視覚化,データ・マイニング,教育,ドキュメンテーション,人文関連情報の解析,デジタル化文書,WEB 活用,保存科学,文化財防災,情報検索,メタデータなど.ただし,必ずしもこれらに限定されるものではありません.

発表形式

口頭発表,ポスター発表,デモ発表の発表形式を用意する計画です.しかし,全体の投稿状況により,ポスター,デモの発表は実施しない場合もあり,また,ご希望に添えない場合もありますので,その点お含みおきください.

スケジュール

項目 日程
概要論文(2頁)締切 2010年9月15日(水)
2010年9月19日(日)24時
論文採否連絡 2010年10月7日(木)
カメラレディ論文締切 2010年11月10日(水)
2010年11月17日(水)
延長しました

概要論文の応募について

概要論文の応募受付は終了しています.

  1. A4判2ページ(図表を含む)の概要論文を下記の論文投稿先へ提出してください.明瞭に印刷したものを郵送していただいても構いませんが,Emailによる電子投稿を原則とします.査読方針,概要論文の書き方,送付方法などについては,じんもんこん2010概要論文フォーマット(Microsoft Word形式:50KB)に詳しい情報がありますので,ダウンロードの上必ず参照してください.また,概要論文の内容や表現がシンポジウムの趣旨に合致していることに留意してください.情報技術がどう利用されているのかが分からないような人文科学の研究,どのように人文科学領域に寄与・関連しているのかが分からない情報科学・技術の研究については,その研究内容の優劣にかかわらず採択されない場合がありますので注意してください.
  2. 概要論文には希望する発表形式を明記してください.どれでもいい場合はその旨記入してください.
  3. 事務局からの連絡は,電子メールを用います.投稿には必ず受理通知をお返ししますので,万一通知が来なかった場合はお問い合わせください.
  4. 提出された概要論文に基づいて,プログラム委員会で査読・審査の上,応募論文の採否を決定します.
  5. 採択された場合,A4判8ページ以内の論文集用カメラレディ論文を提出していただきます.

参加案内

事前参加申込の受付は終了いたしました.当日参加可能ですので 是非ご参加ください.

参加費

参加費は論文集および税込の金額です.

懇親会の参加費(一般 5,000円,学生 3,000円)については当日会場での受付(現金払いのみ)となります.

参加種別 12/1(水)までの申込 当日受付
情報処理学会会員・研究会登録会員 6,000円 8,000円
共催・後援団体会員 6,000円 8,000円
一般(非会員) 8,000円 10,000円
学生 2,000円 3,000円

問い合わせ

シンポジウム全般の照会先
東京工業大学 赤間 啓之
Email: