◆第112回 人文科学とコンピュータ研究会発表会

主査: 松村敦
幹事: 亀田尭宙、鹿内菜穂、土山玄、山田太造

会場情報

 日時     2016年10月29日(土)
 会場     同志社大学室町キャンパス(京都府)
        寒梅館6階大会議室 https://www.doshisha.ac.jp/information/facility/kambai.html
 発表申込締切 2016年9月5日(月) 延長しました
 原稿提出締切 2016年10月5日(水)

募集内容

情報技術を活用した人文科学分野の研究、人文科学に関連する情報資源の記録、蓄積、提供に関する研究を幅広く募集しています。

※ロング/ショートでも2p〜8pの予稿は必要となります。  (この範囲であれば枚数は自由です)

申込方法

参加費と参加方法(聴講)

学生一般
SIGCH登録会員無料無料
情報処理学会会員500円1500円
非会員1000円2500円

詳しい情報は下記URLをご覧ください.
http://www.ipsj.or.jp/kenkyukai/sanka.html

プログラム

9:55-10:00 オープニング

10:00-10:20 一般発表1
(01) 絵入源氏物語のテキストデータに対する統計解析webアプリケーションの設計
土山 玄 (同志社大学研究開発推進機構)

 絵入源氏物語のテキストデータは国立情報学研究所より公開されている。近年、文章の計量分析では統計解析のためのプログラミング言語であるRが用いられる。しかし、テキストデータについて基礎的な統計処理を行う場合においても、Rなどプログラミング言語、あるいはソフトウェアについてある程度習熟する必要があり、統計学の初学者にとっては敷居が高いと言える。そこで、本発表では絵入り源氏物語のテキストデータを対象とした、統計学の初学者にとっても統計解析が可能なwebアプリケーションの設計について報告する。

10:20-10:40 一般発表2
(02) 敦煌漢文文書のScientific Codicology
坂本 昭二 (龍谷大学)

 近年のデジタルアーカイブによって敦煌文書の高精細なデジタル画像データが提供され、さらに、敦煌文書の科学分析も行われている.これらの情報から従来のコディコロジーではあまり扱われなかったような事柄について異なる観点から調べてみたので報告する.

10:40-11:05 一般発表3
(03) オープンサイエンスの基盤としての国デコ Image Wall IIIF+Crowd4Uの活用事例として
永崎 研宣 (一般財団法人人文情報学研究所)
森嶋 厚行 (筑波大学知的コミュニティ基盤研究センター)
池田 光雪 (千葉大学アカデミック・リンク・センター)
林 亮太 (筑波大学図書館情報メディア研究科)
太田 千尋 (筑波大学システム情報工学研究科)

 国デコImage Wallは、国立国会図書館デジタルコレクションにおける絵や写真、図などの頁のみを表示することによって、資料の発見性を高めるためのシステムである。本のタイトルや付加情報から資料を探すのではなく、中身に直接アプローチするところから資料の全体へと戻っていく情報探索を提示するものであり、大量の情報から、前提となる知識を要求せずに資料を探索できる仕組みという位置づけが可能である。これを実現するために、IIIF(International Image Interoperability Framework)による標準的な画像のバインディング機能と、Crowd4Uによるマイクロタスククラウドソーシングを活用している。本発表では、この仕組みとそれが持つ可能性について議論したい。

11:05-11:30 一般発表4
(04) 小説刺激によるワード文章発生からの本人記述への心理学的考察、記録性への評価
糸魚川 幸宏 (ウィズダム・インク )

 図書刺激でワードでの想起記述が出る。事例「政治の代償」(ボブ・ウッドワード)の文中の言葉で自己体験の時代も場所も違う職場が構成され、また時代も場所も違う小説「点と線」の点検を生む。情報処理技術をこの分野で考察する。

11:30-11:40 休憩

企画セッション1 国際会議サーベイセッション1
11:40-11:45 主旨説明
11:45-12:10
(05) コンピュータを用いた文学研究の近年の動向とその応用に向けて
村井 源 (東京工業大学)

 文学研究においてもコンピュータを用いた分析手法の利用が広まりつつある。古典的な計量文体論を用いた著者推定技法にとどまらず、大規模なテキストコーパスに基づき、テキストマイニングや計量書誌学の手法を援用した様々な意味的分析の応用研究が行われるようになってきている。これらの中で特に物語研究を中心に近年の動向を紹介する。また研究成果を他の分野で活かす試みについても触れる。

12:10-12:35
(06) 日本語テキストを対象とした計量的研究の現状
上阪 彩香 (同志社大学)

 日本語テキストに関する計量的研究は、日本語の情報処理技術の遅れや単語認識の困難さ等が原因で欧米に遅れをとり20世紀にはじまった。しかしながら、近年、情報処理技術の発展を受け、電子テキストを簡易に操作するためのツールの開発が急速に進められている。本発表では、日本語テキストを対象とした計量的研究の現状について述べる。

12:35-13:40 お昼休み

企画セッション1 国際会議サーベイセッション2
13:40-14:05
(07) 「むらおさめ」とデジタル・アーカイブの意義
藤本 悠 (奈良大学地理学科)

 現代日本における社会問題の一つに少子高齢化の問題がある。特に地方における人口問題に関しては、2014年6月号の『中央公論』において「消滅する市町村523 –壊死する地方都市」という緊急特集が組まれるなど、大きな話題になった。こうした状況に対して、最近では「むらおさめ(村納め)」という言葉を通して、消滅しつつある集落の情報の保存と将来的な利活用の必要性が議論されている。「むらおさめ」とは、「集落住民が有している知識や技能、かつての集落の暮らしや生産の様子などを記録保存し、そこに集落があったという確かな記録と、そこで培われた知恵を次世代につなげていくこと」と定義されている。本研究発表では、「むらおさめ」のためのデジタル・アーカイブにおいて重要となる要件を再確認するとともに、現在開発中の野外調査システム「調サイクル君」の紹介を行う。

14:05-14:30
(08) Digital HumanitiesにおけるWebコラボレーション
橋本 雄太 (京都大学文学研究科)

 ティム・オライリーが「Web 2.0」という造語でWebの変化を表現してから10年以上が経過し,Webが双方向的なコミュニケーションの場であることは当たり前の事実となった.Webを介して遠隔地の専門家間の協働を実現するWebコラボレーションは,Digital Humanities分野の主要研究テーマの一つであり,2000年代から多数の研究が実施されている.最近では,専門家同士の協働だけでなく,多数のボランタリーな市民を人文学研究に参画させるクラウドソーシング型の研究も活発である.本発表では,Webコラボレーションに関する最近のDigital Humanities研究を複数取り上げ,その動向を報告する.

14:30-14:55
(09) ミュージアムにおけるVR技術の導入とその動向
青木 大樹 (東京大学大学院学際情報学府)
鳴海 拓志 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
谷川 智洋 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
廣瀬 通孝 (東京大学大学院情報理工学系研究科)

 これまでのミュージアムの役割は収集・保存が主であり,それに比して一般公衆に対する展示には重きが置いてこなかった.一方でミュージアムの機能への期待の変化に伴って展示にも力点が置かれるようになり,展示におけるデジタル技術の役割にも注目が集まるようになった.デジタルミュージアム研究では,デジタルアーカイブの流れを受けつつ,ミュージアムのその場において,体験を通じた深い理解を提供することが目指されている.特に,展示のインタラクティブ性やミュージアムのコミュニティ性を高めるための取組みが多く見られるようになってきた.本稿では,変貌しつつあるミュージアムの役割とデジタルミュージアム研究の関連について紹介する.

14:55-15:00 休憩

15:00-16:15
全体討議
https://goo.gl/cxuLf4

16:15-16:30 休憩

企画セッション2
16:30-18:00
パネルディスカッション「じんもんこんの過去・現在・未来」準備会の討論テーマを議論する企画セッションを予定しています。詳細はパネルディスカッション「じんもんこんの過去・現在・未来」準備会の討論テーマ募集と第112回研究会・討論テーマ検討セッションのご案内をご覧ください。

18:00-18:05 クロージング

懇親会

研究発表会終了後、 白木屋 https://www.hotpepper.jp/strJ000773328/map/ で行います。

会費は 4500円程度を予定しており、学生はディスカウントがあります。

下の書式で、亀田 kameda [at] cias.kyoto-u.ac.jp までご連絡ください。 締切は2016年10月27日(木)です。

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第112回人文科学とコンピュータ研究会発表会

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10月29日(土)懇親会     参加  その他

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