CH121

◆第121回 人文科学とコンピュータ研究会発表会

主査: 鹿内菜穂
幹事: 河瀬彰宏、北﨑勇帆、後藤真、山田太造

会場情報

日時  2019年8月1日(木)
会場  慶應義塾大学 日吉キャンパス 来往舎 大会議室
発表申込締切 2019年6月17日(月) 2019年6月24日(月) 延長しました
原稿提出締切 2019年7月9日(火)

【参加費(聴講)】

種別金額
研究会登録会員無料
学会正会員2000円
学会会員学生500円
学会非会員学生1000円
非会員3000円

詳しい情報は下記URLをご覧ください. http://www.ipsj.or.jp/kenkyukai/sanka.html

募集内容

情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会(IPSJ SIG Computers and the Humanities)では、下記の通り第121回研究会発表会の開催を予定しております。 歴史、地理、芸術、民俗、文学、言語、社会などなど、様々な人文科学の諸領域での情報資源の記録、蓄積、分析、提供や応用に関わる研究発表をお考えの方はぜひ奮ってご応募ください。 詳細は追ってウェブサイト(http://www.jinmoncom.jp/?CH121)およびMLでお知らせさせていただきます。 皆様のお越しを心よりお待ちしております。

・一般口頭発表 6-8件
ショート:15~20分程度の持ち時間(質疑を含む)
ロング:20分~25分程度の持ち時間(質疑を含む)

※ロング/ショートいずれも2p~8pの予稿の提出が必要となります(この範囲であれば枚数は自由です)。
※予稿のフォーマットは情報処理学会のページhttps://www.ipsj.or.jp/kenkyukai/genko.html)をご参照ください。

これ以外に企画セッションを予定しています。

申込方法

申込書のページ(https://ipsj1.i-product.biz/ipsjsig/CH/ )をご利用ください (なお、原稿提出はこちらのページから行っていただきます)。
発表申込締切 2019年6月17日(月)
原稿提出締切 2019年7月9日(火)
*「研究会への連絡事項」欄に「一般(ロング)」「一般(ショート)」の別を、必ずご記入ください。
* 投稿システムで申込後、「講演申込完了のお知らせ」という件名のメールが自動配信されます。
* 担当幹事より、「講演申込受理のお知らせ」という件名のメールで、  整理番号とパスワード、原稿執筆の詳細が届き、正式受理となります。  正式受理の連絡がない場合は照会先までご連絡ください。
* 先着順にて、定足数に達し次第、締め切りとさせていただきます。
* お申込み後、原稿提出時の発表ご辞退はお控えいただくようにお願いします。

遠方からの発表学生への金銭的補助について

CH121では、遠方から参加する学生の金銭的負担を軽減し発表の機会を増やすことを目的に、金銭的補助を受けたい方を募集します。

・補助額:9200円
・対象学生の条件:発表を行うこと、会場設営およびマイク担当をアルバイトとして働けること
・会場まで片道9200円以上(新幹線利用、正規の値段)の遠方からの参加であること
・学内/他資金での補助が受けられないこと
・人数:若干名
・申込先:madoguchi■jinmoncom.jp(@を■に変更しています )

プログラム

9:40-9:50 開会の挨拶

9:50-10:30 セッション1

9:50 - 10:15 ロング
(01)研究文献目録の高次資源化と汎用化をめざして—国文学研究文献目録データベースを事例として
○相田 満(国文学研究資料館)
・栗城 大地(国文学研究資料館)
・野本 忠司(国文学研究資料館)

 日本文学研究論文の総合目録データベース「国文学研究文献目録データベース」は、明治・大正・昭和・平成時代の雑誌および論集に収載される研究文献の目録をデータベース化したもので、令和元年を迎えた2019年度に60万件を超える件数を公開している。そこに採択される文献の採録方法は、採録者が全文を通覧した上で分野別に類別を行い、作品・作者名などの論文に現れない関連語や、ヨミ、館蔵書については函架番号などの情報付加を行うことで、Ciniiや国会図書館などから公開される網羅的データベースにはないエキスパート的知識が反映された専門特化型のデータベースとなっており、国文学研究者には不可欠な存在となっている。しかしながら、網羅的データベースやリポジトリによる全文データベースなどの公開が普及する中で、目録の維持・メンテナンスに割かれてきた労力が今後も継続するに値するものであるか、その存在意義を問われつつあることも確かで、本データベースに於いても、その独自性を主張しえるだけの変容・変質を迫られている。そこで、本データベースにおいては、過去に蓄積された人力による60万件の論文データに付与された情報自体を資源として、新たに採録するためのエキスパートシステムの糧とするとめの方途を求めるための取り組みを進めることにした。そのための方策としては、1過去の論文資源に付加された分類語・付加情報の有用性の確認、2付加・整備されるべき情報資源(含オントロジ)の整備と不足する資源の蓄積、3論文全文情報からの語彙抽出と分類、4入力作業および情報付加作業の効率化あるいは自動化、などが考えられる。本発表は現段階の準備状況を確認するとともに、その構想を実現の可能性と発展性について報告したい。

10:15 - 10:30 ショート
(02)ゲーミフィケーションを活用した大将軍八神社における星辰信仰の可視化
○李 明珂(立命館大学映像研究科)
・古川 耕平(立命館大学映像研究科)
・斎藤 進也(立命館大学映像研究科)

 無形の文化遺産を対象としたデジタルアーカイブコンテンツは、データの蓄積と保存を中心としたものが多く、一般のユーザビリティに配慮できているとは言い難い現状にある。本研究では、過去の大将軍八神社における星辰信仰を対象とし、その理解を促進するため、ゲーミフィケーションの考え方に着目し、ゲームエンジンを用いた3Dインタラクティブビューワの開発をおこなった。

10:30-10:45 休憩

10:45 - 11:45 セッション2

10:45 - 11:00 ショート
(03)古今集と新古今集の間に見られる歌ことばの変化
○山元 啓史(東京工業大学)
・シュビソー  グリフィン(ワシントン大学)

 本論では、歌ことばの連接関係の変化について述べる。古今集(905年頃)から新古今集(1205年)までの歌ことばの変化を用語の連接関係から記述できるかどうかを検討する。同じ用語でも連接関係が大きく変わったもの、変化が少なく安定しているものに分類し、300年間に見られる変化の特徴について考察し、連接関係辞書の記述と歴史変遷可視化システムの開発について述べる。

11:00 - 11:15 ショート
(04)A study on individual differences in contemporary Japanese colloquial expressions
○シュビソー グリフィン(ワシントン大学)
・山元 啓史(東京工業大学)

 This paper addresses the issue of individual variety in colloquial speech of contemporary Japanese. After conducting short interviews with native Japanese speakers across a variety of controlled groups (such as age and gender), the expressions and speech style used by each individual were analyzed and the variances were compared to determine their significance. These findings contribute to automatic Japanese sentence recognition systems.

11:15 - 11:30 ショート
(05)モーツァルトの交響曲と弦楽四重奏曲における構造的な違いに関する研究
○平野 充(東京工業大学)
・山元 啓史(東京工業大学)

 クラシック音楽における複数人による演奏形態のうち,多人数によるオーケストラ曲と少人数による室内楽曲の間で,多くの場合に弦楽器声部が共通していることに着目し,楽譜を計量的に分析することによってこれらの構造上の違いを明らかにすることを目的とした.具体的には,モーツァルトの交響曲(オーケストラ曲)と弦楽四重奏曲(室内楽曲)を対象として,音の高さをパターン化したピッチクラスセット(PCセット)を用いて比較した.分析の結果,それぞれにおいてPCセットの出現頻度の割合に違いがあることが明らかになった.したがって,オーケストラ曲と室内楽曲の間には弦楽器声部におけるメロディーあるいはハーモニーの作り方に違いがある可能性がある.

11:30 - 11:45 ショート
(06)「集合的記憶」を継承する地域アーカイブの構築 ——記述メタデータの再定義——
○金 碩鴻(一橋大学院 社会学研究科)

 近年,記憶の継承を目的としたアーカイブの研究が,盛んに進められている.しかし大半の研究では,「記憶の継承」という文言が半ば大義名分と化し,具体的な方法論にまで落としこめられてはいない.本研究では,このような問題意識から,記憶を継承するとはどういうことか,モーリス・アルヴァックスと大森荘蔵に準拠して論じる.第1章では,なぜ地域アーカイブの研究が進められているのか,2つの背景に即して論じる.第2章では,地域アーカイブがあまり利用されていないという問題について論じる.そしてその原因を地域アーカイブと他のアーカイブの利用目的と利用者という2つの違いに求める.原因を特定したうえで,メタデータに着目する先行研究を考察する.そのうえで資料に多様な言語化した解釈を付与するという先行研究の解決策を支持する.第3章では,先行研究の主張を社会学と哲学の記憶論によって基礎づける.更にメタデータの改訂案に関する3つのメリットを論じる.1つめは歴史叙述を行ううえでの利点,2つめは記録史料の評価選別を行ううえでの利点である.3つめは,公共圏の創出に寄与する利点である.特に1つ目の利点に注目し,記述メタデータを豊かにすると,複眼的かつ重層的な歴史叙述が可能になることを論じる.

11:45-13:15 休憩

13:15 - 14:15 セッション3

13:15 - 13:30 ショート
(07)言語間語彙比較に基づく野生動物の生息域推定の試み
○大林 武(東北大学大学院情報科学研究科)
・山田 和範(東北大学大学院情報科学研究科)
・長野 明子(東北大学大学院情報科学研究科)

 環境保全の基礎データとして重要である野生生物の生息域の調査には、データの網羅性や過去の分布域の推定などの課題が存在する。本研究では、野生動物の生息域と当該動物を表す語彙の関係を網羅的に調査することで、比較言語学的アプローチに基づく、野生生物の生息域推定を試みる。各種野生生物に対応するWikipediaの見出し語と言語間リンクに基づき、言語間の語彙の類似度を算出したところ、各種野生動物の生息域の広さとその動物を示す語彙の多様性が相関していることを見い出した。

13:30 - 13:45 ショート
(08)タイ国ジュゴン保護区における漁民の活動実態調査のためのWeb操業日誌の活用
○阿部 朱音(京都大学大学院情報学研究科)
・市川 光太郎(京都大学フィールド科学教育研究センター)
・守屋 和幸(京都大学大学院情報学研究科)
・秋道 智彌(総合地球環境学研究所)
・荒井 修亮(京都大学フィールド科学教育研究センター)
・キティワタナウォンコンキアット(プーケット海洋生物学センター)

 タイ国南部トラン県タリボン島周辺はタイ国最大のジュゴン個体群の生息地で複数の海洋保護区が設定されその運営方法について議論が進行中である. 本海域におけるジュゴンの行動生態学的情報の蓄積が進んでいる一方で住民側の海域利用実態の情報は不足している. 漁民が本海域をいつ,どのように利用しているかという情報は持続可能な保護区運営を議論する上で重要である. 本研究では1年を通じて周辺漁民が当該海域をどのように利用しているのかを定量的に評価することを目的とする. 該当する漁民に対して発表者らが開発中のWebアプリケーションを用いて操業記録を毎日入力することを依頼し協力を得た. その結果,6名の漁民から2019年3月5日から6月6日までの95日間の操業記録が得られたので,その解析結果を報告する.データ解析の結果,漁法ごとの収入とその変化,漁法ごとのジュゴンとの遭遇場所が明らかとなった.95日間で8335バーツ‾63220バーツの収入を得ていて,カニ刺し網漁師が最も高収入であった.イカ釣り漁師よりも貝獲りをはじめとした多漁法を行う漁師(貝獲り漁師)の方が安定的に高い収入を得ていた.ジュゴンと最も遭遇していたのは貝獲り漁師で,次はカニ刺し網漁師だった.貝獲り漁師は漁場とジュゴンとの遭遇場所が一致していたが,カニ刺し網漁師はある1カ所の場所でのみジュゴンと遭遇し,その場所は漁場ではなかった.本研究で構築したシステムは極めて単純だが,日々の漁民の活動傾向が明らかになってきた.今後もデータを蓄積することによって,多方面の分析が可能になると考える.

13:45 - 14:00 ショート
(09)タイ語コーパスTNCを利用したタイ語使役分析
◯工藤 美奈子(東京工業大学)
・陸 嘉良(東京工業大学)
・鈴木 一徳(東京工業大学)
・平川 八尋(東京工業大学)

 タイ語には3種類の使役表現(hay, tham, thamhay)がある。その中でも、tham使役文は、文(節)がマイナス表現に限られるという制約がある。本発表は、tham使役文と共起する動詞を分類し、なぜマイナス表現をもたらすのか、意味機能に焦点を当てて体系的に考察する。

14:00 - 14:15 ショート
(10)コーパスを利用した英語関係節の意味的分析
鈴木一徳(東京工業大学)

 本研究では、英語の関係節形成における名詞句がもつ意味的要因の影響を調べる。従来、関係節化された名詞句は、主語位置または目的語位置から関係節の主要部に移動する分析がなされている。特に目的語関係節の形成においては、主語名詞句を越えて関係節が形成されることから、形成プロセスにおいて主語名詞句と目的語名詞句の持つ意味素性が影響している可能性が考えられる。本発表では、英語コーパスを用いて、関係節形成における名詞句の意味的要因を分析した結果を報告する。

14:15-14:25 休憩

14:25 - 16:55

企画セッション「デジタルアーカイブ構築をとりまく最前線」
趣旨説明
山田太造(東京大学史料編纂所)
1. デジタルデータの利活用へのネットワーク的アプローチ
金子 晋丈(慶應義塾大学)

 デジタルデータは一日に2.5エクサバイト新たに生成されていると言われている。筆者は、増加し続けていくデジタルデータのボーダレスな利活用に向け、アーカイブ基盤の確立、デジタルデータの仮想化、およびデジタルデータのネットワーク化を中心技術とし、アプリケーションサービスの構築を行いながら、技術開発を行ってきた。本報告では、ボーダレスなデジタルデータの柔軟な利活用を可能にする自律型オープンデータ流通基盤のアプローチ、およびその主たる機能であるVirtual FileとCatalogue System、これらを基に構築した人文学的アプリケーションサービスについて紹介する。

2. 華北交通アーカイブ:戦時期広報用写真の研究データベース構築と社会の反応
北本 朝展(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター/国立情報学研究所)

 戦時期広報用写真の研究データベースである「華北交通アーカイブ」は、ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センターが、京都大学・東洋大学の研究者らとの共同研究の成果に基づき2019年2月に公開したものである。本発表では、そもそもの出発点となった華北交通写真の発見から写真の整理状況、アーカイブの構築などを説明するとともに、アーカイブの公開に対する社会の反応についても簡単にまとめる。

3. 知の結節点としての図書館から研究データを発信する意義 -東京大学附属図書館U-PARLの試みを通じて-
永井 正勝(東京大学)

 東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)は2014年4月に東京大学附属図書館に設置された研究部門であり、これまでの5年間で、アジア研究図書館構築支援、アジア研究の実施、社会還元などの活動を行ってきた。そのような活動の1つに、東京大学アジア研究図書館(2020年度開館予定)に配架予定の書籍を含めた研究資源のデジタル化がある。U-PARLが実施しているデジタル化の特色は、第一に、図書館がOPAC等で共有している「資源の外側にある書誌情報」と研究者が必要としている「資源の内側のデータ」とを繋ぎ、公開している点にある。第二に、デジタル化のノウハウを図書館に集積させ、その継承を目指す点にある。第三に、知の結節点としての地の利を生かして、諸学問の統合や交流を図る点にある。

4.デジタルアーカイブを取り巻く最近の状況
永崎 研宣(人文情報学研究所)

 CH研究会として共有しておきたいデジタルアーカイブの最近の動向は、コンテンツの相互運用性が一層高まりつつあることである。IIIFの採用が国内外で広まりつつあることで、利活用の可能性が大きく広がりつつある。世界中の画像や音声/動画/3D等を対象として一定のテーマで横断的な部分切り出し・統合的なアノテーション付与・それらの協働作業やその成果の解析。この状況について、いくつかの事例とともに紹介したい。

16:55 閉会の挨拶

17:30 懇親会

懇親会

発表会終了後に、懇親会を予定しています。ぜひご参加ください。
参加をご希望の方は期限が短くたいへん恐縮ですが7月24日(水)までにご連絡ください。

会場: HOA HOA(ホアホア) https://vietnam-hoahoa.com
参加費: 一般 5000円 学生 2000円(予定)

お問い合わせ先

madoguchi■jinmoncom.jp(@を■に変更しています )


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Last-modified: 2019-07-30 (火) 00:16:36 (131d)